鉄塔設計関連

鉄塔設計関連 2017.12.01

有限要素法(マトリクス法)によるラーメンの応力解析

13. 各部材の断面力を求める

先に求めた材端変位ベクトルを使うことで、各部材の断面力を求める事ができる。

各部材の剛性方程式は3.で述べた通り以下の式になる。

ここで
:(部材座標系での)材端力ベクトル
:(部材座標系での)剛性マトリクス
:(部材座標系での)材端変位ベクトル

また


:(全体座標系での)材端変位ベクトル

これより、各要素の断面力に対して以下の剛性方程式を得る。

この剛性方程式を各々の部材について計算することで各要素の断面力を求めることができる。
これも具体的な計算はEXCELをご参照頂きたい。

14. 支点反力の計算

実はここまで述べたマトリクス法には欠点があり、支点反力が計算できない。では、どうやって支点反力を求めるのかと言うと、 一般的には「支点に繋がっている各部材の内力を集計して」求めることになる。

ただし、今回のモデルでは支点に繋がっている部材は1つなので、ここまでに求めた材端変位ベクトルから直接計算することが可能である。
これもEXCELに計算例を示したのでご参照頂きたい。

15. 電協研計算例との比較

電協研P257「(b)柱体部下端を固定とした場合」の計算例(たわみ角法)と今回試みたマトリクス法での計算結果を比較してみる。
ただし、電協研の計算例は間違っているので正しい計算結果はこちらを参照のこと。

(単位はkNとkN・m)
電協研(たわみ角法) マトリクス法
MAB 9176.0 部材1-2 M1 9257.0
MBA 339.7 部材1-2 M2 333.3
MBC 1781.7 部材2-5 M2 1775.3
MCB 5162.1 部材2-5 M5 5138.9
MCD 3720.1 部材4-5 M5 3696.9
MDC 10866.2 部材4-5 M4 10814.7
VA 233.6 支点反力 Y1 235.4
VD 1058.8 支点反力 Y4 1057.1
HA 813.3 支点反力 X1 819.7
HD 1246.7 支点反力 X4 1240.3

当然ながら両者にはほとんど差が無い。
個人的にはマトリクス法の方が応用も効き、EXCELを使用すれば計算も簡単なのでオススメである。

今回計算したモデルは全部材の両端が剛接されたモデルであるが、「一端ピン」「両端ピン」「回転バネ」を含む構造であっても、剛性マトリクスを変更するだけで計算が可能である。
このあたり、マトリクス法というのは良く出来た計算法だと思う。

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